麻疹のゆくえ

麻疹(はしか)が大流行している。4月から6月にかけて麻疹の季節とも言われているが、それにしても成人(15才以上)の感染が際立っている。4月下旬頃から上智大学を皮切りに、都内や千葉の多くの大学で麻疹による「休講」が相次いでおり、一ヶ月経った現在も収まる気配もなく、早稲田大学でも最近休講となった。さらに広がりつづけるのだろうか。それにしてもすごい感染力である。麻疹患者1人から免疫をもっていない人15人から20人に空気感染すると言われている。

当大学は、小規模であるが全寮制であるゆえに、大流行に危機感を禁じえない。早速、全学生と教職員へのアンケート調査を実施し、ワクチン接種の有無について尋ね、未接種の人には速やかに接種するように促がしている。学部長のもと、校医と連絡を密にし、感染者が起こったときの対応について関係部署との連携を確認しているが、感染者が出ないことを願っている。これ以上の広がりが収まり、感染が終息することを祈りたい。

最近は「免疫力」ということばも流行している。免疫は、人間に生まれながらに与えられている治癒力であると言われるが、この免疫力を高め病気にかからない身体をつくることが推奨される。しかし、麻疹のような感染症などの病気には、ワクチンなどの予防接種によって免疫を獲得する必要がある。いずれにしても、病原体の侵入を防ぎ、それを退治する免疫システムが健全に機能することが必要だ。聖書の「信仰の大盾を取り、・・・御霊の剣である神のことばを受け取りなさい。」(エペソ6:16-17)が心を捉える。私たちの霊的な免疫力を高めることもまた肝要である。