「20年を機に」

去る1月11日に本学では恒例の「成人祝福チャペル」をもった。小規模大学の良さというところか、はたまたキリスト教大学の特権というところか、毎年20歳を迎える学生に対して、これまでの成長に創造主なる神の恵みと保護者の支えがあったことを覚えて、主の御名を崇め、保護者への感謝を表す礼拝をもっている。今年は20名の学生たちが壇上に上った。全国124万人の中の20人である。貴重だ。「知的な研鑽、人格的な成熟、霊的な成長」という目標を掲げて、大人としてさらに励んでほしいもの。自分のことで精一杯ということから隣人に思いを馳せ、顧みるという「心」を磨く歩みを重ねてほしい。大学として「一人ひとり」を覚えて執り成す祈りができることは幸いである。

本学も昨年20周年を迎え、大人としての歩みが期待されている。卒業生も600名を超えた。そして、法人としても併設の神学校を大学に統合し、大学をさらに充実させて神学教育を行おうと志している。まさに「20年を機に」、本学に与えられたビジョンと使命にもう一度献身しようと、20周年記念行事は締めくくった。本学の20年は、本学だけのものではない。これを祈りと経済的支援で支えた卒業生や諸教会、支援者の存在がある。彼らの多くは本学の卒業生ではない。前身校や併設の神学校の卒業生たち、本学に賛同する人たちである。21世紀の教会と社会への奉仕者を養成する四年制の神学大学の設立というビジョンと使命に共感し、進んで支援し、学生を送ってくださったゆえに、本学は20年を迎えることができたのである。

これからは、これまで20年に輩出した卒業生や彼らが牧会する諸教会による祈りと支援によって本学が歩む時でもある。教員の多くも前身校や併設の神学校出身者である。今後は本学卒業生もさらに教員として加わる時である。建学の精神の保持と経営に参画する理事会や評議員会の構成員も近い将来、本学の卒業生に担って欲しいものである。そして、財政的な基盤をしっかりと整え、より適切な教育をなす教育機関として教会と社会に貢献できるように、経済的に支える卒業生や支援教会であって欲しいと願う。「いよいよ本学卒業生の出番!」なのだ。本学が行なう「明日の世界宣教者育成」に積極的に支援されてきた前身校と併設の神学校の卒業生や彼らの牧会する諸教会、一般の支援者とともに、その走りをともに走って欲しいし、ゆくゆくは「主力ランナー」となって欲しいと心から願っている。

「あなたがたは、すべてのことに、すなわち、信仰にも、ことばにも、知識にも、あらゆる熱心にも、私たちから出てあなたがたの間にある愛にも富んでいるように、この恵みのわざにも富むようになってください。」(2コリント8:7)