「機上の人」

本学の冬学期は5週間と短い。学生たちにとっては集中講義のような速さで授業が進み、早や試験期間に突入するという学期でもある。それと並行して入学試験があり、卒業を控えた学生たちは、卒業研究の締め切りや最終の課題に骨身を削るときでもある。そんな学生たちを教え支える教職員の忙しさを尻目に、学長の私といえば、今日は東に、明日は西にと、まさに東奔西走している。2月13日-16日はシンガポールに飛び、2月19日-23日には米国に飛ぶ予定である。実際は西奔東走というところか。

学長の職務とすれば、この時期、学生募集と寄付金のお願いにまさに東奔西走しなければならない時期であるが、それはこの一年かけて取り組んできたつもりである。しかし、今年は大変厳しい状況にあることは確かだ。特に、昨年末に念願のキリスト教福祉学専攻での「介護福祉士養成施設等の指定」についての内示を得たが、その学生募集は年が明けての1月からということもあって、志をもっている学生がすでに他の学校を受験してしまっている可能性が高い。けれどもなお、適切な学生が本学のキリスト教福祉学専攻を志願するよう、諸教会にご案内し働きかけているところである。

機上でいつも感動するのは、立ちこめる雲を飛行機が突き抜けてゆくと、そこには太陽が燦々とその光を輝かせている真っ青な大空があるということだ。雲海を下に置き、機体は宙に舞うがごとくである。多くの課題や困難に直面しつつ、今は雲の中で風雨に機体が煽られていても、必ずやそれを突き抜けて雲海を眼下に見下ろす時が来る。このことを信じて「機上の人」とならせていただいている。「あなたがたが神のみこころを行なって、約束のものを手に入れるために必要なのは忍耐です。」(ヘブル10:36)