「暑い、熱い、季節」

7月中旬の梅雨明けからの猛暑が続く。実に「暑い」。大雨、土砂災害に多く見舞われた西日本の方々の窮状も大変お気の毒であるし、さらに、この7月後半の半月で猛暑による熱中症により、200人を超える方々が亡くなられたことも、誠に痛ましい限りである。それも65才以上の高齢の方々が約9割を占めると聞く。体内から「水分」が気づかないうちに蒸発し、その補給が追いつかないのか、塩分の摂取が少ないのか、ペットボトルの清泉飲料が手放せなくなった。思えば、かつて、よく東南アジアを訪れたが、意識的に絶えず水分を摂取することを求められた。今夏の日本もまさに、意識的な水分補給が求められるということか。

7月は、本学にとっても「熱い季節」である。春学期が第二週で終了し、7月9日には、主に留学生のための「夏期卒業式」が行なわれ、続いて学生の全国各地への「夏期伝道」研修や米国シアトルでの「夏期語学研修」などで、足早に国内外へと散らされてゆく。様々なところに「出かけてゆく」季節であるが、それと同時に、今夏には、海外から「来られる」方々も多い。というのも、本学20周年記念行事の一環として、前々年から準備されていた米国トリニティー神学校と本学との「合同神学会議」が、30名以上の参加者を得て7月21日から23日に開催されたからである。さらに、「第39回夏期教会音楽講習会」も7月29日から31日に行われ、毎年恒例となり盛況であった。多くの方々が国内外から本学に「来て」くださることは感謝である。

上記の合同神学会議のテーマは、「イエス・キリストにある苦難と希望」で、イエス・キリストは今日の東アジアや日本でどのような意義をもっているのかについて熱く討議された。英国と米国の神学者5名と日本の神学者5名がそれぞれペーパーを発表し、それぞれに応答がなされた。単に、トリニティー神学校と本学の教員ばかりでなく、英国セント・アンドリュース大学や米国フラー神学校とカベナント神学校も加わり、日本からは国際基督教大学や東京神学大学などからも発題者が立てられ、欧米と日本の神学者のまたとない交流ともなった。内容については後日、色々なところから紹介されると思うが、本学が神学交流の一つの架け橋となり、その交わりを広げ深める場となることができ幸いであった。実に、「暑い、熱い、季節」であったと言えよう。

「さて、祭りの終わりの大いなる日に、イエスは立って、大声で言われた。『だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。わたしを信じる者は、聖書が言っているとおりに、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになる。』」(ヨハネ7:37-38)