「同窓生との交流」

秋学期が始まり、すでに三週目を迎えている。今年も秋学期入学の留学生を5名(インド、ウガンダ、ケニヤ、ミャンマー)と短期留学生3名(米国)を迎え、また、休学者も復学してキャンパスは賑わいを見せている。そんな中で、昨年から始まった「同窓会幹事会」が本学キャンパスで行われ、学園の理事長、大学の学長はじめ、学部長や学生部長補佐が出席して、本学の現況を分かち合い、同窓生の近況を聞き、よき意見交換の時となった。学園には、本学の他に、神学校や旧共立女子聖書学院や、旧共立研修センターの卒業生もおり、同窓会の裾野は広い。同盟聖書学院から日本クリスチャンカレッジ、そして東京キリスト教短期大学を経て、現在の東京基督教大学へとその流れが続き、そこに共立女子聖書学院や東京基督神学校(日本基督神学校)が合流して今日の学園を形造っている。今や全体の同窓生は2000人を越える。大きな財産である。

東京基督教大学となって、その卒業生も現在550人を越える。学長となって外部奉仕がない日曜日には、本学神学部を卒業して教会の牧師となっている卒業生の教会の礼拝を幾つか訪れる機会がある。その教会の礼拝の一員となるのだが、その雰囲気や礼拝の流れ、また、牧師の説教を聴く中で、その教会の特徴を知ることができる。幸いに、大学開学当初から教員であったので、卒業生は皆教え子である。早々に訪問した教会の牧師たちから電子メールをもらい、説教についてはどうだったかと尋ねられる。そのような質問は彼らにとって勇気のいることだが、尋ねられた者としてはとても嬉しいことである。尋ねてくるこのような卒業生がいることは私にとって大きな誇りであり、彼らの前向きで真摯な姿勢に私も励まされる。卒業生と「顔と顔を合わせて」安否を問い、また、特に、牧師としての大きな務めの一つである説教について意見を交換することができる、このような関係を喜んでいる。

本学は、「少人数人格教育」をその教育方針に掲げているが、それは在学中のみではなく、卒業後もとても大切であると最近特に思わされている。本学は来年開学20周年を迎えるが、その初期の卒業生たちは教会にあっても社会にあっても中堅に差しかかっている。責任も増して来よう。また、卒業してビジネスを起こそうとしている者もいる。壁や困難の中で苦闘している者もいよう。大学として彼らをどのようにサポートできるか、というよりももっと彼らの身近にいる存在となれるかということだろう。学長としての責任も感じている。東京近辺の卒業生だけでなく、日本全国にいる卒業生との交流を願う。幸い、同窓会や後援会の協力の中で、それぞれの地区の交わりが進んでいるが、何かのイベントを催すということでなくとも、卒業生に実際に会い、より個人的な、人格的な交流の輪を広げてゆくことができればと思う。来週、「第5回日本伝道会議」が札幌で開催されるが、多くの卒業生との出会いを楽しみにしている。「遠い国からの良い消息は、疲れた人への冷たい水のようだ。」(箴言25:25)