「一つの新校」

去る4月7日(水)に本学の入学式が行われ、54名の新入生が加えられた。千葉県印西市にある本学の桜が満開の中で、新しい年度のスタートが切れた。今年の本学の年間テーマは、「一つの献身、多くの奉仕」ということで、併設の神学校の山口陽一校長が入学式でメッセージを取り次がれた。「献身とは、人が勝手にするものでありません。主の召しに応えての献身です。」「献身は、イエス・キリストの救いをいただいた者の感謝の応答です。」(「学園報」Vol.133)と。入学式が本学にふさわしい「入学献身礼拝」となった。大学165名、神学校41名、総勢206名の門出である。

2010年度の特色は、何と言っても、「教会教職課程」生14名の入学である。すべてが大卒者であり、将来、牧師や伝道師、宣教師として立つ召しを受けた人たちである。これまでは併設の神学校に入学する人々であるが、今年度から本学に統合されて大学の中で「教会教職」の備えをする。この人たちは、大学第三年次への編入となる。一年次から上がってきた三年次生と机を並べることとなるが、急に年配の同級生を得て、従来の学生は多少戸惑うこともあるだろう。また、教員の教育もこれまでとは違った教授内容や方法へと変化をもたらすこととなる。これが本学にとってプラスのチェンジとなればと願う。

思えば、30年前に本学は三つの神学教育機関が合同し、その賜物を結集して一つとなった。その志は、「21世紀の教会と社会に仕える教職者と奉仕者の養成」をめざすものであった。そして、10年後の1990年にプロテスタント福音主義の神学大学として本学が設立された。しかし、本学は神学を学部教育として施す中で、大学卒業者への神学教育は、引き続き、神学校に託された。文科省認可の大学と県認可の専修学校としての神学校が同一法人に設置されていたわけである。この度、教会教職養成を「大学院構想」をもつ大学で一本化し、30年前に夢みた「一つの新校」が、ついに実現したのである。先人たちの夢の実現、その場にいることの幸いを新入生を前にしみじみと覚えたことである。

「そういうわけだから、兄弟たち。私は、神のあわれみのゆえに、あなたがたにお願いします。あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物としてささげなさい。それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です。」(ローマ12:1)