「グローカル」

あっという間の一ヶ月半。温暖な10月上旬から一転、10月中旬以降ぐっと冷え込んだ千葉ニュータウン。その間、南アフリカ・ケープタウンで10日間開催された第三回ローザンヌ世界伝道会議(LCWE)に参加する特権を得た。アフリカで開かれた伝道会議、1989年の第二回のアジア・マニラ以降、世界のキリスト教人口が南半球にシフトしていることを覚えさせられる会議であった。さらに、今日世界大の課題である環境汚染、経済的格差、人種間の紛争、病気などが集中する南アフリカでの会議は、「キリストとその和解の福音」がもつ意義(神と人、人と人、人と自然・社会)を改めて問うものともなった。そして、何といっても、参加者4200名が「世界のあらゆるところ」から集い、一堂に会して主を賛美することができる、ここに大きな感動を覚えた。

帰国してまもなく、本学の創立20周年記念行事が11月3日(東京・よみうりホール)と4日(本学キャンパス)に行なわれた。3日の記念式典・講演には、祈り支援してくださる方々、同窓生、学生、理事・評議員、教職員合わせて約550名がともに集い、20年を感謝し、今を喜び、これからの本学の歩みのために祈り、とても励まされる時となった。また、4日の創立記念礼拝や、同窓生との分科会(「教会と本学で若者を育てる」、「教会と福祉を考える」)にも、予想以上の方々が来会され、主イエスを崇めるときとなった。本学は、日本でも小規模大学の一つであり、神学部という稀な学部単科の大学であるが、全世界を治める偉大な主イエスは、小さきものを用いて大きなわざをなす神であると信じる大学として、「教会と社会に仕える奉仕者の育成」という本学の使命をさらに果たしてゆきたいと願わされた次第である。

ローザンヌでの世界大に広がる教会と世界大に広がる課題を垣間見たが、同時に、毎日特定の6人との祈りと聖書研究、ディスカッションの時をもった。私のグループの他の5人は、インドネシア、マケドニア、ニュージーランド、ナイジェリア、セント・マーチンからの参加者である。一つの福音、世界大に広がる課題、そしてそれぞれの国と教会が抱える問題を、聖書の「みことば」をもとに議論し、祈ることができたことは大きな祝福であった。私とニュージーランドのマイクを除いて、他の3人は30代から40代前半であり、全体としても、今回の参加者には若い人々が多く、また、女性の活躍が目立った。日本からもっと若者が参加できるような環境を整える必要を覚える。本学にアジア・アフリカからの留学生がいることは祝福である。本学学生(留学生も含めて)が、ここ印西で世界を知り、ここ日本の印西という地で「主イエスに仕える」ことを学ぶ意義は実に大きいと改めて感じた。

「その後、私は見た。見よ。あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、だれにも数えきれぬほどの大ぜいの群集が、白い衣を着、しゅろの枝を手に持って、御座と小羊との前に立っていた。」(黙示録7:9)