「教会音楽アカデミー」

東京基督教大学を擁する学校法人東京キリスト教学園には、「教会音楽アカデミー」という部門がある。音楽の歴史の中でも、宗教と音楽は密接な関係にあり、礼拝や信徒の生活の欠くことのできないものとされている。キリスト教における「教会音楽」も、礼拝におけるものと広くキリスト教を題材としたものとがあるらしい。プロテスタント教会では、礼拝における会衆賛美歌を中心に、オルガン音楽、聖歌隊の合唱、独唱や重唱などがある。併設の東京基督神学校には「音楽科」が設けられており、特に、教会における「教会音楽主事」の養成を行っている。チャペルにはガルニエ作のパイプオルガンが備えられ、また、チャペルに併設されたレッスン室の装備もかなり整っていて、すばらしい設備環境にある。

本学園は、神学校の音楽科の演奏発表会だけでなく、学園クワイアでは年末のメサイアコンサートや入学式・卒業式での特別賛美があり、また、学生サークルでは「木声会」の合唱グループ、アンサンブル・グループやコンテンポラリー賛美グループがあり、「チャレンジチャペル」での活動など多種多様なキリスト教音楽実践の場となっている。また、アジアやアフリカからの留学生によるキリスト教賛美も彼らの文化性と合わせて、本学の音楽性を豊かにしている。今年は日本プロテスタント宣教150周年であるが、日本のプロテスタント教会音楽が、今後50年に向って、礼拝をさらに充実させ、宣教を進展させるものとなるよう願っている。そのためにも本学が教会音楽の刷新のための発信地でありたい。

先週、本学では特別なコンサートが二つあった。6月10日の韓国からの賛美伝道チーム「オンギジャイ」(「陶器師」という意味)によるロングチャペルと、6月12日の米国バーミンガム少年合唱団(40名)による第15回チャペルコンサートである。前者は卒業生の紹介によるものであり、後者は本学教員の関係から実現したものである。特に、後者は一般に公開されて、大盛況のうちに終えることができた。このような企画が地域の人々に喜ばれており、大学が地域に貢献できる一つとなっている。2009年の後半には、「第38回夏期教会音楽講習会」、公開講座「オルガン・声楽・神学」や「メサイアコンサート」が予定されているが、多くの方々に来会していただければと思う。ただ、教会音楽の育成と発展には財政的必要が多大にあり、志しある方々のお祈りとご支援を仰がなければならないのは言うまでもない。「ハレルヤ、主に新しい歌を歌え。聖徒の集まりで主への賛美を。」(詩篇149:1)