「神に向って歌う」

9月15日の「敬老の日」に、本学では「オープンキャンパス」と、本学卒業生の賛美グループ「リラ」の「結成15周年スペシャル・キャンパス・コンサート」が開催された。オープンキャンパスで来られる高校生に本学出身のリラを紹介したいことと、彼らの結成15周年記念コンサートを母校でできればということで、本学がコンサートの「協力・後援」となって会場であるチャペルを提供したわけである。料金をとっての開催であったが、270名という聴衆を得て、そのハーモニーの絶妙さ、トークと歌詞のマッチした賛美、そして彼らの賛美に花を添えた沖縄から来られた工藤氏の心に沁みるバイオリン演奏と、「神に向って歌う」ことの素晴らしさを体感させてもらった。

リラの誕生は、1992年入学(第三期生)の女子学生が、友人と授業の帰りにピアノのところで賛美を始めたのがきっかけだという。その女子学生が自分で作詞・作曲した賛美曲を友人に聞かせたところ友人は感動したようで、その後、この二人に新たに二人が加わり、さらに男性二人が加わって現在のリラとなった。リラの意味は、「竪琴」とも「ライラックの花」とも言われている。若者たちの音楽センスは年毎にその洗練さを増している。多くの者が楽器を奏で、歌詞を書き、曲を作り、それを集会で披露する。そんな中で曲が練られ、よりふさわしい賛美曲が生まれてくる。10月13日の「体育の日」に「シオン祭」(本学の学園祭)が開催されるが、やはり本学の卒業生で、「歌う信仰告白」と称される内藤容子氏が招かれている。

ゴスペル音楽ブームでもある中、クリスチャンの若者たちの間でも、新しい賛美のムーブメントが起こりつつある。これまで教会では、「讃美歌」や「聖歌」という伝統的な賛美歌集が用いられていたが、今では色々な音楽ジャンルを用いて神を賛美するようになってきた。現代人の感性に最も近く、親しみの覚える音楽ジャンルを用いていると言えよう。プロテスタント宗教改革は、信者の「歌声運動」でもあった。特定の専門家による賛美ではなく、普通の信者がキリストの救いを喜び、その救いを成してくださった神への賛美を、彼らに馴染みの曲に載せて歌ったとされる。教会がもっと日本の若者に届くためにも、神への賛美をさまざまな音楽ジャンルで表現できればと思う。「詩と賛美と霊の歌とにより、感謝にあふれて心から神に向かって歌いなさい。」(コロサイ3:16)