「大路を平らに」

新年おめでとうございます。日本各地は大荒れで大雪に見舞われる中、ここ千葉印西は朝から快晴で、太陽の日差しを燦燦と降り注ぐ元旦を迎えている。希望の持てる一年であるようにと期待が膨らむ。世界的な経済不況はなおも続き、失業率は一向に下がらず、政権交代した民主党の鳩山政権も年末に来年度予算を発表したものの、今年の舵取りは前途多難であろう。日本にどのような「道」を付けてゆくのか。長い自民党政権が付けてきた道の「でこぼこ」をどのように平らにして「友愛の道」へと整備してゆくのか、国民が注目するところである。かつて年末となると、あちこちで道路工事がさかんとなり「でこぼこ」の修復や舗装作業があったが、最近はあまり見られない。

本学のある千葉ニュータウンは、昨今、世間の動きとは逆に、道路工事がさかんに行なわれている。本学正門前の道路が西の東京電機大学千葉ニュータウン校の方まで延びるようだ。そこには深いくぼ地があるがそれをどのようにつなぐのだろうか。さらには、印西市には北の木下・大森という旧い街と南の千葉ニュータウンという新しい街があるが、この旧新街をつなぐ大道路建設が着々と進んでいる。丘陵は削られ窪みが埋められて平地とされる。印西の地は今でも「里山」の残る地域だが、それを活かしつつ幹線道路が敷かれ、人とものの交流を活発にし、旧街の活性化を図ろうというもの。印西千葉ニュータウンに、北総鉄道北総線と併設して走る464号線と交差する主要道路が設けられ、東西南北の大路が敷設されることとなる。

長年歩んできている道もいつしか「がた」がきたり、落とし穴があったり、余分なものがくっついて盛り上がったりして、人を躓かせるものである。その点検や修復をきちんと行ない、その道を「整え」なければならない。寒風吹き荒れる厳しいときであればこそ、その道を堅く踏みしめ、均してゆくことが必要だ。本学のような高等教育機関は「建学の精神」に沿って教育目標を達成するために「本学の道」をその都度整備しなければならない。特に、キリスト精神に則り、教会と社会に仕えるキリストの「しもべ」を育成したいと志す教育機関として、その道と歩みの整備を怠ってはならないと年の初めに深く思わされている。

「荒野に呼ばわる者の声がする。『主の道を整えよ。荒地で、私たちの神のために、大路を平らにせよ。すべての谷は埋め立てられ、すべての山や丘は低くなる。盛り上がった地は平地に、険しい地は平野となる。このようにして、主の栄光が現されると、すべての者が共にこれを見る。主の御口が語られたからだ。』」(イザヤ40:3-5)