ミニ企画「大河ドラマ八重の桜」関連図書展示のご案内

★★ 図書館ミニ企画展のご案内 ★★

図書館入口付近で「大河ドラマ八重の桜–関連図書展示–」と題し、ミニ企画展を行います。当館所蔵の『新島襄全集』『新島先生書簡集』『同志社大学社史』『新島八重子回顧録』を中心に、ここ数年で刊行された八重本、覚馬本、会津や群馬のキリスト者や熊本バンド関係の図書展示。また『天道遡原』、排耶蘇資料、当時の伝道用トラクトなど明治期の原史料を展示します。ドラマの背景と共に明治初期の基督教迫害と後のリバイバル、続くキリスト教の姿が資料を通して垣間見れます。期間は9月25日(水)から10月頃です。

—-「それぐらいの事、うちでは誰も驚きません。兄も私も、人が反対する事ばっかり、やってきましたから。・・・耶蘇がキリスト教を始めた時も、周りの人達は、そんな考えは間違っていると、こぞって反対したのですよね。でも耶蘇は怯む事なく、教えを広めたと聖書に書いてありました。だったら、同じようにすればよいのです」、「会津のもんはおとなしく恭順しねえのです。お忘れでしたか?」これら、ドラマで語る八重のセリフは、当時の敗者側の気骨ある姿、いい意味での図太さが伝わってくるようです。そして、今回の小展示は、見る者に明治キリスト者の篤い心意気を伝えてくれるはずです。

『天道遡原』 ドラマで山本覚馬が、明治八年、新島襄と初めて出会ったとき、懐から出した紺色和綴本が『天道遡原』(中国宣教師マルチン作伝道文書)です。覚馬は襄に「自分が抱えていた多くの問題が、この書を読んで氷解した。」、「自分は国家に尽くす人物になりたいと常に思っていたが、法律では目的を達成することができなかった。人の心を変えるには宗教の教え、倫理観が必要だ」と襄に語ります。覚馬がゴードン宣教師より貰った同書は、出版年から漢文のものと思われます。今回は、漢文、訓点、原解(三分冊)を展示予定。『天道遡原』によりキリスト教へ導かれた明治の人は多かったようです。

 

 

翻訳委員会社中『使徒行伝』(明治十年刊)。表紙書き込み(山口陽一教員所蔵)

「末世ニ及ブ共我壱(一)家輩耶蘇ニ類スル事アラバ直(ただち)ニ縁親不通可申者也」(山口陽一教員読み下し)。キリシタン禁制の高札が撤去されキリスト教信仰が認められても、江戸時代からの弾圧によって植え付けられた排耶感情からはなかなか抜け出せない現実が伺えます。

 

 

 

「真の道を知るの近路」宣教師デイビスによって作られた伝道用トラクト。明治六年刊行。明治初期の伝道用文書の中でも最も古く、かつ最も用いられた小冊子。 同志社の学生が、この小冊子をもって家々を訪ね伝道したといわれています。

 

 

「耶蘇教の無道理」明治十四年刊。京都十二講有志によって印刷された浄土真宗のキリスト教批判書です。多くの読者を得るために、無料配布、漢字片仮名交じり文、総振り仮名付、口語体、挿絵付。同小冊子や「耶蘇教国害論」などの反駁書により、廃仏毀釈にあった仏教界の危機感と、「十年はおろか数年で中産層は残らず耶蘇教となる」とも言われた、明治初期のキリスト教の隆盛が知れます。

 

 

 

その他、同志社大学設立に関する史料(山口陽一教員所蔵)や『滑稽耶蘇退治』離迷道人戯作、深慨隠士著『寒更霰語』『斥邪漫筆』など排耶蘇書を数種展示予定。

いままでのドラマあらすじは以下、NHK番組サイトでご覧ください。

http://www9.nhk.or.jp/yaenosakura/outline/