福祉の授業

東京基督教大学で介護福祉士の専門教育が行われていることは、まだ広く知られていません。考えてみれば当然のことかもしれませんが、私がこのことを教えられたのは、テレビの『ライフライン』という番組に、わが福祉専攻の中澤准教授が出演したときの反響を読ませてもらったときでした。番組をご覧になったある方が「東京基督教大学に福祉があることを初めて知りました。今後福祉に関心のある人がいたら東京基督教大学を紹介したい」というようなことが書いてあり、自分自身の認識の狭さに気付かされ、キリスト教福祉学科をもっと広くアピールしていかなければと思わされたことでした。
だからというわけではないのですが、今日は福祉の授業風景を少しご紹介します。
福祉の科目の一つに「生活支援技術」というのがあります。その授業の中で寝たきりの人の洗髪をする実習を行いました。実習に先だって教室で基本的事項を学び、洗髪用具である“ケリーパッド”というものを作ります。これはゴミ袋・新聞紙・バスタオル・洗濯バサミ・輪ゴムがあれば簡単にできますが、しっかりしたものを作らないと洗髪するときベッドが水浸しになりますから学生たちは必至です。さっそく実習室で自分で作ったケリーパッドを使って学生同志で洗髪の練習をしました。それが下の写真です。福祉では、机上の学びと合わせて実践して技術を習得することも大切な授業の目的の一つです。実習の現場はというと、キャーキャー言いながら、くすぐったかったり、ぬるかったり、熱かったり、気持ち良かったり悪かったり、それぞれに学んだことがあったでしょう。
「自分にしてもらいたいと望むとおり、ひとにもそのようにしなさい」(ルカ6:31)
のみことばを実践でいく介護福祉士の育成のために、アポロのごとく水を注ぐものでありたいと思います。
(片岡政子)