「TCU修養会」

本学では小規模大学の特徴を生かして、毎秋に二泊三日の修養会を持っている。基本的にこの修養会を企画し、運営するのは学生会の修養会委員である。学生たちの企画力と実行力にはいつも驚かされる。修養会には教員や職員の一部も参加し、大学のキャンパスを一時離れて学生同士や教職員との交流を深める機会となっている。4月に新入生を迎えて春学期が終え、また、9月にアジア神学コース(ACTS-ES)の留学生や米国からの交換留学生を新たに迎えてのこの時期、互いをさらに知るときとして用いられている。

大学修養会は、単に互いをよく知る機会という訳ではない。むしろ、本学の特徴であるキリスト教精神とその教育目標をもう一度確認し、互いにそれらを共有するときである。具体的には、キリスト教的な霊性の涵養をはかり、その価値観のもとでさらなる人格的な成長のために探られ、整えられるときであると言える。今回の修養会は、長野県蓼科・白樺湖で行われた。湖面海抜が1400メートルの風光明媚な地で、さすが信州、秋の気配が漂い、涼風が肌に触れてとても気持ちよい。修養会のテーマは、「STORY: あなたはわたしを愛しますか?」で、本学の岡村直樹准教授が主講師として講演された。

先生の若者の心を捕らえた講演は好評で、四回の講演にはいつも、“きらり”と光るフレーズがあった。「自分の”鎧“を着けたままで、主イエスを愛することができるだろうか?」、「あなたの価値をだれが決めているのか。『自分はだめだ』としてしまうと信仰の戦いを戦えない。」、「人が愛するとき、その人が一番やさしくなれる瞬間である。そして、最も人間らしい瞬間である。」、「感謝の気持ちがあるところに、愛校心も生まれてくる。」今回は、私も一参加者として、じっくりと聖書と講演に聞き入り、キリストにある神の愛、そして、自分を愛することの意味と、神と隣人を愛する幸いを、改めて問いかけられたことである。「心を尽くし、思いを尽くし、知性を尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」(マルコ12:30‐31)