「工事本部」

今年4月に起工した国際宣教センター館とキリスト教福祉学専攻(申請中)の実習施設である公共福祉棟が今月末に竣工の運びとなっている。学園にとってこの二大プロジェクトがその設置目的にそって適切に建設され、安全に工事が行われるように理事会指導で「工事本部」が設けられた。5月より月二回のペースで会合がなされている。二つの建物工事のために、それぞれの設計士と建設業者の現場責任者と学園側の代表者が集まり、進捗状況報告と月別建設作業計画などを共有し、様々な調整をはかり具体的な決定を取りまとめている。ここまで何事もなく安全に工事が進んでいることは感謝である。

工事本部の会合は、廣瀬薫工事本部長(学園常任理事)の短いお勧めと祈りで毎回始まる。それは、東京キリスト教学園の建設工事ということで、本学園の理念にそって、この二つの工事がその教育目的に適い神の栄光を顕わすことのできるように、また、工事関係者がこの工事の中で神の祝福をいただくことができるようにと願うからである。学園関係者はもちろんであるが、工事関係者もその工事が首尾よく進むように、また、安全面で守られるようにと願っておられるので、ともにこのお勧めに聞き入っていてくれる。廣瀬本部長は、聖書のことばを引きながら、建設の意義やそれに伴う人生設計の指針などを、かつてご自分が建設業界に身を置いていた経験から、また、クリスチャン関係者の証しなどを交えながら話してくださる。

工事本部の会合もあと残すところ二回となった。工期が押してくれば押してくるほど、色々な課題が噴出してくる。竣工に向けてクリアすべき様々な検査日程と現実の作業状況のせめぎ合いが出てくる。設計士と現場責任者とのやり取りも緊張が増し、善後策を早急に求められる状況が会合中にも現れる。その一つ一つの取り組みにも「大いなる御手」をその背後に感じることの幸いを覚えている。建設工事がいよいよ終盤を迎えるこのとき、これまでにも増して「工事の安全」を再確認して会合を終えたことである。「与えられた神の恵みによって、私は賢い建築家のように、土台を据えました。そして、ほかの人がその上に家を建てています。しかし、どのように建てるかについてはそれぞれが注意しなければなりません。」(1コリント3:10)