「生き方を聴く」

去る9月29日(月)の夜に東京新橋駅近くのヤクルトホールで、後援会主催の「第23回東京キリスト教学園 学園デー」が開催された。東京基督教大学や東京基督神学校を擁する東京キリスト教学園を多くの方々に広く知っていただこうというのが趣旨である。今回は『生き方上手』などで著名な日野原重明先生(聖路加国際病院名誉院長・同理事長)をお招きした。また、音楽のゲストとして本田路津子氏を迎えて、クリスチャンソングに耳を傾けることができた。台風の接近に伴う秋雨前線による雨の中にも、323名の来聴者を得て、大変祝福された学園デーとなった。

日野原先生の1時間20分にわたる「生き方を聴く」という講演はあっという間に過ぎた。小学校における「いのちをありがとう」という講演を紹介しながら、「目に見えないもの」にこそ目を止め、耳をそば立てて聴くことの大切さを語られた。「聴く」ことは、「目をさまして」いることが肝要であること、最終的に「生き方を聴く」とは、「いのちであられるイエス・キリストに聴くこと」であると、クリスチャンであられる先生は確信をもって語っておられた。97才とは思えない80分間立ち続けの中で、ユーモアを交えての精力的な講演に、来聴者は大きな元気と励ましをいただいた。さらに、本田氏の歌声は、まさに、日野原先生の言われるとおり、講演に来聴者の心を整えるすばらしい働きとなった。

学園デーの前日9月28日朝に、学園顧問の中嶋栄三氏が天に召された。中嶋氏は丁稚奉公を経て、中嶋自動車工業株式会社を起こされ、クリスチャンとなった後は、特に、教育と福祉の分野で多大な貢献をされた。教育の分野で本学と関わられたが、中でも、本学のキャンパスの幾本もの桜木や池など、本学の教育環境への整備にご尽力くださり感謝で一杯である。立派に育った桜の木立と池を見るたびに、中嶋氏を偲ぶことができる。福祉の分野では、日本キングスガーデンの施設関係でご貢献が覚えられているが、2008年4月から始まった本学の介護福祉課程にも深い理解をもって支援してくださった。中嶋氏もまた、主キリストにあって、「生き方を聴く」人生を歩まれたのだなと思う。「「信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい。」(ヘブル12:2)