「メリー・クリスマス」

2007年度秋学期が、先週集中講義をもって終わった。学生たちはそれぞれ帰省し、寮も閑散となりつつある。この秋学期には、本学にとって様々な動きがあった。特筆すべきものは、何といっても、国際宣教センター館と公共福祉棟の竣工である。これは建物にすぎないが、ここに本学のビジョンと方向性が表れている。福音のことばによる宣教と社会的な奉仕による宣教である。両方とも、世の救い主キリストの「いのちをかけた愛」に応答する実践に他ならない。本学の建学の精神はまさにここに息づく。このことを覚えて、2007年のクリスマスを迎えたい。

去る12月7日(金)にはクリスマス記念礼拝と祝会、そして恒例の学生による教員宅へのキャロリング訪問が行われた。我が家には、5人の留学生と1人の日本人学生が集った。小規模な大学の良さは、教員と学生たちとの触れ合いが多いことにある。5人の留学生(ネパールの2人、ケニアの2人、ナイジェリアの1人)が会話を盛り上げる。初めは緊張気味だが、次第にリラックスして自分の国のことや家族のことに話が及ぶと、そこに厳しい現実があることを知らされる。政治的な不安、貧困、そして教会に対する迫害と信仰の戦い。「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」(イザヤ9:6)であるキリストの誕生を深く覚えたい。

先週12月14日(金)には、併設の神学校によるイ・サンギュ教授(韓国釜山の高神大学神学部長)の「ピョンヤン・リバイバルから100年」という特別講義が開催された。ピョンヤン・リバイバル(1907年)はその年に突然起こったものではなく、1900年代の初め、二人の宣教師の祈りから始まったと言う。韓国教会の20世紀における成長は世界の驚きでもある。そこには、民族的・歴史的な要因が横たわっているが、その根底に韓国教会の「悔い改めと熱心な祈り」があった。早朝に行われている韓国教会の「早天祈祷会」こそ、このリバイバルを受け継ぎ、今日の教会の原動力になっていることを改めて思う。救い主キリストの誕生は、神の預言の成就であるとともに、救いを待ち望む人々の祈りの結実でもあった。「主はその民を顧みて、贖いをなし、・・・古くから、その聖なる預言者の口を通して、主が話してくださったとおりに。」(ルカ1:68,70) ”メリー・クリスマス!!”