「TCU同窓会講演会」

去る2月27日(金)の夜に都内で「TCU同窓会講演会」があり、学長として「TCUの過去・現在・未来(展望)」という題をいただき講演した。2007年度あたりから同窓会と大学との関係強化を同窓会のイニシャティブで始まり、同窓会幹事会と本学のリーダーたちの会合が開催されたり、本学のチャペルに同窓生が講師として毎学期に少なくとも一人が招かれたり、さらには、同窓会の会合を、大学の施設である国際宣教センターで行われたりしている。それによって、同窓生に本学の状況や学生の様子を実際に見て知っていただき、「身近に」感じていただければと願っている。その一環の中で今回の「TCU同窓会講演会」が開催された。

この日は本学キャンパスに「雪が降る」一日でもあった。白く雪が積もったキャンパスで、初めて雪を見、手でさわったアフリカからの留学生の興奮を尻目に都内に向った。講演会に出席された方々は20名弱であったが、1959年卒業(前身校である日本クリスチャン・カレッジ)の大先輩から、東京キリスト教短期大学の卒業生たち、そして1990年創立の東京基督教大学2008年新卒の人まで世代をまたがる参加者を得た。講演を、本学の創立に至る三校(共立女子聖書学院、東京キリスト教短期大学、日本基督神学校)協力による新しい教育理念である「建学の精神」(1979年)から始めた。この時期、私は日本基督神学校の三年生であり、東久留米から当時国立にあった東京キリスト教短期大学のキャンパスに移転した経験を持つ。

私は三校合同の経緯の中で、最初の卒業生であった。その建学の精神には、それから10年後の本学TCU創立の方向性を示す明確な理念が打ち出されていた。「新校は聖書を誤りのない神の言葉と信じ、かつ信仰と生活の唯一の規範とする福音主義に立ち、教職者および奉仕者を養成することを目標とする神学教育機関である。」本学は、教会と社会に奉仕する働き人を養成することを教育目標として掲げているが、私たちの先達の信仰とビジョンが、紆余屈折があっても今日実現していることを改めて確認した次第である。その方向性をしっかりと受け継ぎ、本学に目を向けていただく同窓生がさらに起こされるよう努力しつつ、新たな展開へと歩みたいものである。「イエス・キリストは、きのうもきょうも、いつまでも、同じです。」(ヘブル13:8)