「国家晩餐祈祷会」

3月13日(金)は、本学の2008年度卒業式で、23名を世に送り出す時となった。一般の大学からみれば、本当に少人数の卒業生たちである。それだけに、一人一人への思いも強いし、学長として卒業証書を渡す感慨は深い。目と目を合わせて卒業証書を渡し握手する時は、教師としての幸いを改めて噛みしめる時でもある。他の教職員には申し訳ない気もするが、これも学長の特権として赦してもらおう。式後早々に色々な方々への挨拶を済ませ、新宿の京王プラザへと向った。第9回を迎える「国家晩餐祈祷会」に出席しメッセージをするためである。このような会に招かれる光栄を覚えながら、初めての会に期待を込めて出席したが、何と360名ほどの方々が、「熱心に祈ろう」と集まって来られた。

この国家晩餐祈祷会は、「日本の国のため、各界の指導者や関係者のために祈る」集いである。2000年から始められ、クリスチャンの国会議員、教会やビジネス、教育などの指導者を中心に毎年開催されてきた。主催は、国家晩餐祈祷会実行委員会であるが、協賛には、日本CBMC(基督者実業人会)、インターナショナルVIPクラブ、朝祷会全国連合などの団体が名を連ねている。CBMCは、アメリカのシカゴで1930年の世界大恐慌のときに、7名のクリスチャン・ビジネスパースンズが経済的に非常に困難な状況の中で霊的復興を願うところから始まったとされる。日本では、1974年に韓国での第1回CBMCアジア大会に触発されて始まった。国家や為政者のため、経済の復興と倫理観の確立のため、日本と世界の平和のために祈ることを目的に活動されていて、今回の祈祷会の中心的な団体でもある。

近年私は、「聖書とイエス・キリストに方向性を求めるビジネスパースンや専門職同士の交流と相互理解を深めようとするVIP」の水道橋集会に招かれたり、御茶ノ水朝祷会に出席する機会を得たりと、多くのクリスチャン信徒との交流を深めている。日本にはクリスチャンは数少ないが、最近、教団や教派の枠を越えて交流と協働が信徒レベルで積極的に行われている。しかも、そのような働きに理解と協力をおしまない教職者が増えてきている。今年は、プロテスタント日本宣教150周年に当たるが、クリスチャン国会・地方議員、ビジネスパースン、教師、医療・福祉従事者などあらゆる職種の人々が、キリストの「真理と愛」をもって、それぞれの分野を通して日本社会にさらに貢献できるようにと祈りを熱くしたことである。「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」(ルカ2:14)