第1回 図書館ブックトーク・カフェ

6月15日(月)夕方、図書館玄関前オープンスペースにて第一回図書館ブックトーク・カフェを行いました。

今回は、「N.T.ライトって誰?」と題して、本学教授伊藤明生先生から興味深いお話を聞くことができました。サブタイトルは「大学生のためのライトなライトにまつわるトーク」。オックスフォード留学中からN.T.Wright先生をご存知じの伊藤先生へは参加者から様々な質問が寄せられて有意義な時間となりました。参加くださったみなさま、ありがとうございました。

「小畑進牧師と初期の東京基督神学校」展

図書館では、「小畑進牧師と初期の東京基督神学校」と題する展示をおこなっています。

本展は、本学名誉教授であられた小畑進教員(1928-2009)の著作集全巻刊行を記念し、本学所蔵の資料をもとに、小畑進教員の足跡と当大学前身校の一つである東京基督神学校の歴史の一端を史料と写真でご紹介しています。小畑先生が大切にしたもの、本学が継承しているキリ神のスピリットに出会っていただければ幸いです。

主要な展示物:東京基督神学校規則書、東京神学塾規則書、第一回卒業式式次第(1954年4月)、寄宿舎献堂式式次第、初期の試験用紙と解答、小畑先生直筆ノート、ピスガ會通信一号、日本基督神学校報初号、校章など

開催時間:月~金10:00~16:30 期間:11月14日まで(土日は休み)
場所:図書館1階展示場 ショーケース2台
主催:小畑進著作集刊行委員会、東京基督教大学歴史資料保存委員会

あわせて11月10日には東京基督教大学国際宣教センターにて『小畑進著作集』出版感謝会が予定されています。

図書館ミニ企画 「心悩む人の理解と支援のためのブック・ガイド75冊」展

図書館1階エントランスで、以下のミニ企画展を開催しています。ぜひご覧ください。

・「心悩む人の理解と支援のためのブック・ガイド75冊」展

・期間:11月10日(月)まで

2014年4月に発行された『牧会相談の実際-カウンセラーと共に考える』藤掛明、小渕朝子、村上純子編著(あめんどう)で25名の方が推薦された75冊を並べて展示しました。同書は、発売以来、良書として様々なメディアで紹介され、「神学生の必読書」の声もあがっています。是非、学生時代に手に触れてほしい本たちです。きっと人間理解が深まるはず。アルバイトのみんなと一緒に手書きPOPをつけました。イラストも楽しんでください。!!

ブック・リストは右urlで推薦者の文章と共に確認できます。 東京基督教大学図書館の本棚(ブグログ)

著者の皆様からコメントを頂きました。

藤掛明先生(臨床心理士。聖学院大学准教授)
本を読み、教えられる。体験し、教えられる。これらどちらも大切なことです。ただ、体験はほっておいてもやってきます。本は自分からアクションを起こさなければなりません。拙共著の推薦図書リストも、そのきっかけになればと思います。

村上純子先生(臨床心理士。聖学院大学准教授)
この本は、もともと私たちクリスチャンの臨床心理士たちが、自分たちの知識を教会や牧師、教職者、信徒の方々に役立つ形で提供できないだろうかという思いから作られました。心理相談(カウンセリング)を行う中で、多くの教職者や信徒の方々が大変なご労をとっておられるのだなということを実感してきたからです。
牧会カウンセリングの本は何冊も出版されていますが、この本の最大の特徴は、現役の牧師先生方へのインタビューと牧会に役立つと思われる本の紹介です。ですから、ここには30人以上もの方々の生きた知恵がつまっています。牧会現場に出られる前の神学生の皆さんにとっては今すぐに役立つ本ではないかもしれませんが、いつか困った時に「こんな本があったな」と引っ張り出していただければ嬉しく思います。

小渕朝子先生(臨床心理士。青葉台カウンセリングルーム主宰)
本書は、心理カウンセラーのやり方を牧会者、信徒リーダーに押し付けようとするものではありません。実践的な心理カウンセリング(臨床心理学)の知恵のなかで、牧会において使えるものやヒントになるものがあれば、と思い書かせていただきました。少ししか触れていないことや書き切れてないこともたくさんあります。もっと知りたいこと、質問がありましたらぜひ聞かせて下さい!本書と75冊の推薦図書は皆さんにとってリソース(資源)です。本だけでなく、執筆者もリソースなのだと思います。この本を通して数々の出会いが生まれることも願っています。

出版社様からコメントを頂きました。

・小渕春夫氏(あめんどう社)
いま教会は、様々な心の問題を抱えた人との関わりが増えているのは承知の事実です。その中で、牧会者は翻弄され、相当の精神的疲労を負わされています。しかしその実態となると、事態の深刻さに比べ情報が少ないのが現状です。
これからの牧会のあり方を考えると、そうした問題、知識を、少なくても教会の責任ある立場のメンバーが、ある程度共有しておくことが重要でしょう。
本書には、牧会者側の心の備えに役立つことや、これまであまり明らかにされてなかった実際例を載せてあります。それを読むことで、いままでピンとこなかった人も、課題の大きさをつぶさに知ることができるでしょう。それに続き、人間の心を理解するための様々な図書を、広く教会の指導者の方から紹介しています。近い将来、牧会の現場に立つ人をはじめ、いま問題と向き合っている牧会者、信徒リーダーのためにお役立ていただければ幸いです。

英語多読の広がり、「多読職員」現る!!

 先月行われた当大学の教職員研修会、そのひとコマで、「英語多読」が取り上げられました。

英語力向上のための多読多聴」と題して、 本学のショート・敦子先生から、英語多読多聴法の意義と成果を学び、実際に多読の楽しさを体験しました。参加した職員からは、「おもしろい」、「楽しそう」「大学のグローバル化に役立ちそう」などの声が聞けました。

SD(Staff Development)の一環としておこなわれたこの研修会でしたが、それ以降、図書館にある「英語多読コーナー」を利用する教職員が増えました。そして、事務局内にも多読文庫が!。一人だとなかなか続かない語学学習ですが、お互い励まし合いながら、自学自習。!学生・教職員で刺激しながら英語多読を楽しもうという雰囲気が広がる、この頃の当館です。

英語多読とは、沢山の英語を読むことで、自分でも知らないうちに英語力が上がる学習法。簡単なレベルの本からスタートして、自分にとって面白くて読みやすい本を選んで、辞書を引かずに沢山読む英語学習方法です。

 

第七回 神学校図書館フォーラムのご案内

神学校図書館に関わる人の<見学・学び・交流の会>をご案内いたします。キリスト教図書、図書館活動、神学校などにご興味ある方々は、是非、ご参加ください。 申込締切を7/25(金)まで延長しました。定員は30名、まだ若干の余裕があります。公開講演のみの参加も募集しています。

<お申込は右からお願い致します。> http://kokucheese.com/event/index/184057/

<概要>

・日時: 8月1日(金)9:45~16:00
・場所: お茶の水聖書学院(お茶の水OCCビル2階)http://www.obi-net.com/
・対象: 神学校図書館(室)スタッフ及び神学校教職員、神学生、神学校サポーターなど
・会費: 1500円(昼食代、見学代などを含む)、講演会参加のみは500円
・主催: 神学校図書館フォーラム実行委員会、後援:東京基督教大学図書館

<スケジュール>

9:45  受 付
10:00  参加者紹介&近況報告
10:30  <学び>「ハリストス正教会について」 山口陽一師
11:00  <見学>ニコライ堂見学及び司祭様によるお話
12:00  昼食兼親睦会+休憩
13:00  <公開講演>「神学校の過去・現在・未来」中村敏先生の講演
14:30  休憩(OCCビル内の書店・施設など自由見学)
15:00  <パネルディスカッション>中村、三森、山口師、ほか参加者による
16:00  終了予定
17:00   有志によるお茶の水スイーツ探訪会(自由参加 お茶の水駅近くの喫茶店にて)

<講師紹介>

・中村敏師(1949-)新潟県生まれ。聖書神学舎、トリニティー神学校卒。現在、新潟聖書学院院長。著書『日本プロテスタント神学校史』『日本における福音派の歴史』『日本キリスト教宣教史』 ほか多数。
・山口陽一師(1959-)群馬県生まれ。東京基督神学校卒。2012年まで同神学校校長。現在、東京基督教大学大学院神学研究科委員長。

<神学校図書館フォーラムとは>

2006年から始まり、主にプロテスタント神学校図書館スタッフが集っている会です。今まで、聖書図書館、東洋文庫、日本聖書神学校図書館、点字図書館、賀川豊彦松沢記念館、聖三木図書館、上智大学石神井分館などを見学。キリスト教図書に携わる出版・流通・図書館の方々をお招きし、貴重なお話を伺い、資料保存、製本、展示広報、ヘブル語初級の学び、レクチオ・ディビナ(霊的読書)、ワンパーソン・ライブラリーのメンタルヘルス、など幅広い学びを行い、交流の場を持っています。

シオン祭(11/14)、図書館ミニ・イベントのご案内

11月14日(月)シオン祭 図書館ミニ・イベントのご案内

シオン祭当日10時から15時まで図書館エントランスにて「八重の桜関連図書展示」ミニ・イベントを行います。ぜひ、図書館にお寄りください。(無料、出入り自由)

内容

  • ・大河ドラマ「八重の桜」関連図書の展示(近年刊行の八重、覚馬、襄に関する図書を手にとってゆっくり読みませんか)。
  • ・DVD「聖書を読んだサムライたち3:時代を駆け抜けた三人のなでしこたち」の鑑賞 (85分) 第一回目:10時30~ 二回目:12時~  三回目14時~
  • ・山口陽一教授(日本キリスト教史)による、資料と明治期キリスト者についてのミニ・レクチャー 時間:13:15~13:30

展示資料:山本覚馬を動かした『天道溯原』(オリジナル)、排耶書、明治期トラクト、山本八重さんの聖書と賛美歌パネル、山口陽一教授提供の「同志社大学設立の旨意」「同志社設立の始末」「同志社設立の新聞広告」「北英聖書会社送り状」オリジナルなど

 

 

 

 

ミニ企画「大河ドラマ八重の桜」関連図書展示のご案内

★★ 図書館ミニ企画展のご案内 ★★

図書館入口付近で「大河ドラマ八重の桜–関連図書展示–」と題し、ミニ企画展を行います。当館所蔵の『新島襄全集』『新島先生書簡集』『同志社大学社史』『新島八重子回顧録』を中心に、ここ数年で刊行された八重本、覚馬本、会津や群馬のキリスト者や熊本バンド関係の図書展示。また『天道遡原』、排耶蘇資料、当時の伝道用トラクトなど明治期の原史料を展示します。ドラマの背景と共に明治初期の基督教迫害と後のリバイバル、続くキリスト教の姿が資料を通して垣間見れます。期間は9月25日(水)から10月頃です。

—-「それぐらいの事、うちでは誰も驚きません。兄も私も、人が反対する事ばっかり、やってきましたから。・・・耶蘇がキリスト教を始めた時も、周りの人達は、そんな考えは間違っていると、こぞって反対したのですよね。でも耶蘇は怯む事なく、教えを広めたと聖書に書いてありました。だったら、同じようにすればよいのです」、「会津のもんはおとなしく恭順しねえのです。お忘れでしたか?」これら、ドラマで語る八重のセリフは、当時の敗者側の気骨ある姿、いい意味での図太さが伝わってくるようです。そして、今回の小展示は、見る者に明治キリスト者の篤い心意気を伝えてくれるはずです。

『天道遡原』 ドラマで山本覚馬が、明治八年、新島襄と初めて出会ったとき、懐から出した紺色和綴本が『天道遡原』(中国宣教師マルチン作伝道文書)です。覚馬は襄に「自分が抱えていた多くの問題が、この書を読んで氷解した。」、「自分は国家に尽くす人物になりたいと常に思っていたが、法律では目的を達成することができなかった。人の心を変えるには宗教の教え、倫理観が必要だ」と襄に語ります。覚馬がゴードン宣教師より貰った同書は、出版年から漢文のものと思われます。今回は、漢文、訓点、原解(三分冊)を展示予定。『天道遡原』によりキリスト教へ導かれた明治の人は多かったようです。

 

 

翻訳委員会社中『使徒行伝』(明治十年刊)。表紙書き込み(山口陽一教員所蔵)

「末世ニ及ブ共我壱(一)家輩耶蘇ニ類スル事アラバ直(ただち)ニ縁親不通可申者也」(山口陽一教員読み下し)。キリシタン禁制の高札が撤去されキリスト教信仰が認められても、江戸時代からの弾圧によって植え付けられた排耶感情からはなかなか抜け出せない現実が伺えます。

 

 

 

「真の道を知るの近路」宣教師デイビスによって作られた伝道用トラクト。明治六年刊行。明治初期の伝道用文書の中でも最も古く、かつ最も用いられた小冊子。 同志社の学生が、この小冊子をもって家々を訪ね伝道したといわれています。

 

 

「耶蘇教の無道理」明治十四年刊。京都十二講有志によって印刷された浄土真宗のキリスト教批判書です。多くの読者を得るために、無料配布、漢字片仮名交じり文、総振り仮名付、口語体、挿絵付。同小冊子や「耶蘇教国害論」などの反駁書により、廃仏毀釈にあった仏教界の危機感と、「十年はおろか数年で中産層は残らず耶蘇教となる」とも言われた、明治初期のキリスト教の隆盛が知れます。

 

 

 

その他、同志社大学設立に関する史料(山口陽一教員所蔵)や『滑稽耶蘇退治』離迷道人戯作、深慨隠士著『寒更霰語』『斥邪漫筆』など排耶蘇書を数種展示予定。

いままでのドラマあらすじは以下、NHK番組サイトでご覧ください。

http://www9.nhk.or.jp/yaenosakura/outline/

 

 

TCU教員が新入生にすすめる本 NO.2

TCU教員が新入生にすすめる本 NO.2 推薦者:稲葉裕先生(2012年度校医、キリスト教福祉学教員、順天堂大学名誉教授)

Ⅰ 私の読書から

1) 日野原重明・山本俊一編『死生学』(第1集~第3集) 技術出版  1988~1990年
恩師山本俊一先生が東京大学を定年後聖路加看護大学に赴任されて手がけられた3年間の看護大学の特別授業26回の全記録である。主にキリスト者として活躍されている方々の体験と思索の集大成であり、読んでいて啓発されるところが多い。日本人の死生観(山本俊一)、神経症患者における死の意識について(平山正実)、死の医学と看護(日野原重明)、悲嘆教育(アルフォンス・デーケン)、小児の死とそのケア(西村昂三)などがお勧めのテーマである。

2) 野村実 『人間シュバイツェル』岩波新書 1955年第1刷
私が医学を志すきっかけとなったシュバイツェル医師の生き方を示す有名な本である。神学者、哲学者、音楽家、医療伝道者、ゲーテ学者、ノーベル平和賞受賞者という多彩な生涯を送られた医師を、野村医師が日本人のキリスト者として、共にアフリカで生活された体験から述べられている。「伝説の人」が身近に感じられる本である。

3) 三浦綾子 『氷点(上・下)』角川文庫 1982年 初版
三浦綾子の著書の多くは、私の愛読書である。その原点となるのが、この本である。映画やTVドラマでかなりの人がそのストーリーを知っていると思われるが、ぜひ原文にあたって、三浦氏が、聖書の「原罪」に取り組んだという力作を読んでみて欲しい。

4) マックスウエーバー(尾高邦雄訳)『職業としての学問』岩波文庫 1936年第1刷
プロテスタントの職業倫理を解き明かしたマックスウエーバーの著書で、かなり薄い本ではあるが考えさせられることの多い本である。研究・教育に従事する者の根拠が主の召しにあることを、納得させてくれる本として、ぜひ一読してもらいたい。

5) 賀川豊彦・村島帰之『吾が闘病』(復刻改訂版)今吹出版社 2006年
賀川豊彦は、福音的立場からはかなり批判のある人物ではあるが、日本のキリスト者として社会福祉に取り組んだ業績が、ノーベル賞候補にもされていたことがわかり、見直しが行われていると聞く。この本は友人が復刻版を出すということで、献本していただき、一気に読んでしまった。大変な病気を持ちながら「すべてを神にまかせて」という信仰で乗り切っていく生活の様子はすさまじいばかりの迫力を感じる。

Ⅱこれだけは読んでおこう

前述の5つも含まれると思うが、ここでは特にキリスト教福祉学専攻の学生を意識して推薦する。
1)阿部志郎+河幹夫 『人と社会ー福祉の心と哲学の丘ー』中央法規 2008年
2002年神奈川県立保健福祉大学の創設にあたった阿部志郎氏が、当時厚生労働省に勤務されていた河幹夫氏と対話しつつ作り上げた社会福祉の原点となる哲学がわかりやすく述べられている。本学の稲垣久和先生の「公共の哲学」に通ずる考え方である。日本の社会がこれから進む方向をしっかりと見据えており、福祉を学ぶ上で必須の読み物として推薦する。

2)稲垣久和編『これからの福祉と教会』いのちのことば社 2012年
執筆者には本学のキリスト教福祉専攻の教員がずらりとそろっている。福音主義に立脚する教会における現代の宣教と福祉の問題提起と解決への道筋が示されている良書である。おそらくそれぞれの担当の先生の授業で使用されているので、敢えて推薦する必要はないのかもしれないが、福祉に専攻に共通する問題意識を確認するためにもしっかり読んで理解して欲しいと願っている。

図書館 英語多読本コーナー renewal !!

図書館 「英語多読本コーナー」をリニューアルしました。

棚とソファを新たにし、本も「Beginner」から「Advanced」まで多種、増量。ぜひご利用ください。

英語多読の三原則

  1. 辞書は引かない
  2. わからないところはとばす
  3. つまらなければやめる
多読とは、たくさん洋書を読んで英語力をアップさせる学習法です。自分にあった使用語彙数のレベルからはじめて段階的にレベルを上げていきます。

 

英語多読女子、一年生の皆さんです。頑張って、たくさん読んでいるようですよ。

 

 

 

Cambridge, Macmillan, Oxford, Heinle Cengageなどの出版社から出ているシリーズがメインです。

外国語学習法の肝は、自分にとって楽しい、達成可能なことをやる。完璧にこだわらない・・・そうです。

 

 

 

 

 

 

 

「今日はどの本にしようかな?」

 

 

ちなみにペンギン・リーダーズの使い方ガイドは以下です。http://www.longmanjapan.com/penguin_j.html

(一年生の皆さん 撮影協力ありがとうございました。)

TCU教員が新入生にすすめる本 NO.1

シリーズ「TCU教員が新入生にすすめる本」 1

図書館では、良書との出会いを願って、先生方のアンケートをもとにシリーズ「TCU教員が新入生に薦める本」を企画しました。この読書案内が皆さんにとって、これからの読書プランの一助になれば幸いです。

井上貴詞先生のおすすめ(担当授業:「介護サービス論」「社会福祉学」ほか)

① 私の読書から

・『イエスの御名で』ヘンリー・ナーウエン著,あめんどう社、1993年

ナーウエンの著作は、『いま、ここに生きる』などが在学中のあるクラスで取り上げられるが、これはそれよりもさらに頁数が薄いので、最初に読んでみる本としてはお薦め。TCUは、分野を問わずキリスト教界のリーダーを養成する教育機関であるが、「聖書的リーダーシップとは何か」を教えてくれる。今や「霊性の神学」と言われる分野の先駆けとも言え、実践的であり、今読んでも深く心を探られる本である。

・『子どもをいきればおとなになる-<インナーアダルト>の育てかた』クラウディア・ブラック著,アスク・ヒューマン・ケア、2003年

アダルト・チルドレンという言葉を聞いたことのある人は多いだろう。従来は、虐待やアルコール依存症の家庭など機能不全家族で育ち、トラウマ(心的外傷)を引きずったパーソナリティを持つ人を指していたが、現在は程度の差こそあれ多くの人が、その根底に「アダルト・チルドレン」と共通するパーソナリティ特性を有している。自らを振り返り、見つめなおすために有益だったと読んだ学生からも評価があった本。子どもや隣人を理解するためにも役立つ。著者は、アメリカのソーシャルワーカーであり、社会心理学者であり、アダルト・チャイルド(AC)の概念の生みの親。牧師をめざす人にも福祉をめざす人にも一読のお薦めの書。もちろん、すべて受け入れるのでなく、読んだ後もキリスト教世界観のメガネで批判的吟味もして欲しい。

②これだけは読んでおこう

・『ケープタウン決意表明』日本ローザンヌ委員会訳, いのちのことば社、2012年

神学部単科のTCUであるのに、そのひとつの学部の中に、なぜ神学や国際、福祉があるのか。他の神学校ではありないし、他の神学大学では、別の学部学科になる。そのユニークさへの素直な驚きと疑問に応えてくれる本である。ホリスティックな宣教と福音理解の入門書としても最適。

 

 

・『プレステップ基礎ゼミ』川廷宗之ほか,弘文堂、2011年

・『改訂福祉系学生のためのレポート&卒論の書き方』川村匡由・川村岳人, 中央法規、2005年
春学期に基礎演習というゼミがあるが、時間の不足を感じることがある。授業でのディスカッションやプレゼンテーション、レポート書き方、大学生活の送り方などの参考に最初にこうした本を読んでおくとゼミでの理解が深まるし、後々も助けとなる。この他にも、図書館には『大学生活ナビ』『よくわかる学びの技法』『広げる知の世界』など,大学での学びや生活の指針となる本があるので、この手の本はぜひ一冊は読んで欲しい。こうした本を読んで「4年後にはこうした卒論に取り組もう」と想いを温めておくことは大学生活での学びのモチベーションになる。ちなみに、上記の「レポートの書き方」の本は、「福祉系学生~」とあるが、専攻は問わず活用できる。

③ 私の著書(論文)から

・「社会福祉基礎構造改革の理念と今日の社会福祉への継承」キリストと世界、21号, 2011年
いわゆる大学の紀要である。どの専攻でもTCUでは「社会福祉学」などの授業単位を取り、「社会福祉主事」という任用資格が取得できる。難しそうに思えるのは当然だが、福祉に関心のある方は、この程度の専門用語が出てくる文体には、チャレンジして概観を掴んでなじんで欲しい。

・『これからの福祉と教会』稲垣久和編著,いのちのことば社、2012年


福祉専攻の専任教員が全員で執筆している。TCUで学ぶ福祉の基本コンセプトが示されている。読みやすい本なので、まずは読んでみて、掘り下げたいところや疑問点は、授業でどんどん各先生に質問して欲しい。福祉専攻に限らず、全員に読んで欲しい本である。