「第4回夏期卒業式」

去る7月9日(水)に「第4回夏期卒業式」が執り行われた。今年度春学期の締めくくりでもある。2001年度よりアジアから留学生を招いて9月入学を実施し、しかも英語による授業を始めて、ちょうど今年で4年のサイクルが一巡したことになる。毎年5名平均で南・東南アジアから受け入れてきた。最近はアフリカからも学生を受け入れ、さらには、ドイツ、アメリカなど欧米からの留学生も加わり、現在は30名に近づいている。「アジアというコンテクストで神学を学ぶ」アジア神学コース(Asian Christian Theological Studies for English Speakers: ACTS-ES)が地道な歩みを続けている。

今年度は4名の卒業生を送り出した。内3名がアジア神学コースで、インド、スリランカ、ジンバブエからの留学生であり、他1名は日本宣教コースで、中国からの留学生であった。アジア神学コースの学生は入学当初5名であった。しかし、その内の1名はパキスタンからの学生であったが、家庭の事情があり退学を余儀なくされた。もう一名は在学中に病気をし、卒業が来年3月の予定である。特に、今年の卒業式での注目は、アフリカからの留学生が初めて卒業したことである。遠くジンバブエからの学生である。われわれはアフリカと一口で言ってしまうが、アフリカも広い。東と西、北と南で気候や文化、その国のおかれた状況がまるで違う。今では、ケニア、ナイジェリア、カメルーン、ジンバブエからの留学生を迎えるまでの広がりを見ている。

夏期卒業式の嬉しさは、同窓生たちの連帯感である。まだ、第4回ということもあるが、日本で教会の働きや仕事に就いている同窓生たちが毎年、卒業式に駆けつけてくれる。また、母国から、また、外国で学んでいる同窓生から祝電が寄せられる。彼らの連帯感と母校を想う気持ちに大いに励まされている。同窓生の一人が、日本の教会のチャーチスクールで英語を教えているが、教会の多くの人々から喜ばれて評判が非常によいことを、先日その教会を訪ねた際に知らされた。本当に誇らしく思ったことである。アジア神学コースが用いられて、日本の教会や社会へと、また、それぞれの母国へと、さらには全世界へと有用な人々をいよいよ送り出してゆきたいものである。「ユダヤ人もギリシャ人もなく、奴隷も自由人もなく、男子も女子もありません。なぜなら、あなたがたはみな、キリスト・イエスにあって、一つだからです。」(ガラテヤ3:28)