「ミッションスクールのチャペル」

先日、都内のミッションスクールのチャペル・メッセージに招かれた。中高一貫の女子校で、生徒数は中学高校とも各600ぐらいの規模であった。先週は通常チャペルとは違い、「特別礼拝」と銘打って外部からの講師によるロングチャペルということで私が招かれた次第である。月曜日が高校、木曜日が中学のチャペルで、中学、高校とも、朝8時半には礼拝堂に整然と着席し、生徒が司会と奏楽に当たってチャペルを導く。生徒たちはよく聖書の話に耳を傾けてくれた。宗教部長の先生との懇談で、生徒たちを聖書のみことばに親しませようとする先生の意気込みが伝わってくる。生徒の霊的なケアーの必要性を富に感じておられることに感銘を受け、期待を寄せていただいたことである。

ミッションスクールの存在理由と使命がこのところ見直されている。キリスト教精神による人格教育を掲げて出発したミッションスクールも時の経緯の中で、クリスチャン教員の減少や経営の課題もあって、建学の精神が名ばかりとなっている実情があった。しかし、最近の教育に対する社会の関心や政府の取り組みの中で、特に、「キリスト教学校教育同盟」の加盟校においては、それぞれの建学の精神にもう一度立ち返ってキリスト教教育の再興を果たそうとしている。そのための第一歩として、チャペルの活性化に取り組み始めている。

日本のクリスチャン人口が1%未満という中で、キリスト教主義学校と関係のある人々は10%を占めている。私学として日本の学校教育に果たしている貢献は大きい。日本の学校教育が転機を迎えている中、ミッションスクールがその真価を益々発揮して、日本の学校教育に光明をもたらすものでありたいと願う。東京基督教大学がこの一躍を担う高等教育機関として、その使命を忠実に果たしてゆきたい。「主を恐れることは知識の初めである。愚か者は知恵と訓戒をさげすむ。」(箴言1:7)