施設紹介
チャペル
本学チャペルのコンセプトは「神のことば」です。中心性を外すため、ドームの断片が組み合わされた形になっています。これは一つの中心を持たない、ポストモダンと言われる現代世界を表現しています。そのような不完全で、中心のない空間を造ることで、「『神のことば』が語られること」がチャペルの中心であることを表しています。同時に、この世界でどのように「神のことば」を語るのか、と、ここに集う者たちに問いかけます。
また、内部に入ると天井に大きな二つの白い円を見ることができます。円の先に十字架があり、分断された「神の国」と「この世」とが十字架によって和解され一つにされることを表しています。
カトリックの教会建築と異なり、彫像、絵画などの装飾を一切排除し、象徴としてただ一つの十字架があるだけです。
設計者:磯崎新氏による解説
「キャンパスの中庭の中心に配置されたチャペルは、礼拝堂と音楽練習室の2棟がさらに小さい中庭を囲む構成となり、大空間の必要性から集成材の大断面構造が、遮音性能の確保等からRC造が、それぞれに与えられた。
礼拝堂は、半径約11mの米松集成材によるドーム屋根をふたつ接合したもので、エントランスホールの小ドームと共に、外部仕上げの大部分が天然スレート葺きの黒い建物となった。内部は、アーチにより切り取られた開口部からの均質な光に満たされており、軸組の壁面、ベンチ等、木を主材料としている。正面の塔は鐘楼になっており、建物に教会建築の象徴性を与えている。」(『特集―磯崎新1985-1991第Ⅰ部 Arata Isozaki Part1』より)
設計者プロフィール
磯崎新(いそざき・あらた)1931年大分生まれ。1961年東京大学数物系大学院建築学博士課程修了。1963年磯崎新アトリエ創設。代表作は本学チャペルの他に、つくばセンタービル、バルセロナ・オリンピック・スポーツ・パレス、お茶の水スクエアなど。2019年建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞。
ステンドグラス
チャペルエントランスに二枚のステンドグラスが掲げられています。このステンドグラスは1994年にそれぞれ寄贈によって設置されました。製作者は田ケ原弘氏。
大きなブルーを基調にしたステンドグラスは、当時の山崎製パン株式会社会長の飯島藤十郎氏によって寄贈されました。背景には世界の五大陸が描かれ、中央にイエス・キリストの「誕生」「十字架」「昇天」を表す三つの円が縦に並びます。
エントランスドアの上部にあるステンドグラスは、当時の中島自動車工業株式会社会長の中島栄三氏によって寄贈されました。ギリシア文字で聖書の一節「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい」(マルコの福音書16章15節)が記されています。
パイプオルガン
チャペル講壇上に設置された大きなパイプオルガンは、1995年にフランスのオルガンビルダーであるマルク・ガルニエ氏によって製作されました。
このオルガンは、バッハを代表とする教会音楽の黄金時代と言われる17・18世紀のオルガンを雛型とし、当時の建造法によって製作されたものです。
3段の手鍵盤と足鍵盤、31のストップ(オルガンのパイプの音色とそれを選択する装置のこと)、2006本のパイプを有しています。
オルガンの中心に刻まれているSOLI DEO GLORIA(ただ神にのみ栄光あれ)が示すとおり、第一に礼拝において神を賛美するためのInstrument、すなわち道具(楽器)として、会衆が歌う賛美の歌声を支え、導くことを目的として作られました。
スイング・ベル
チャペル鐘楼に設置されたスイング・ベルは、オランダ王室窯として指定されている「ロイヤル・アイズバウツ社」製で、直径1,253㎜、重量1トンを超える本格的スイング・ベルです。毎日、正午と夕方5時を告げる鐘の音は地域の方々に親しまれています。
施設利用について
申し訳ありませんが、当面の間、学外者の施設利用(施設貸出)はお断りしております。
詳細は大学総務課(soumu@tci.ac.jp)までお問い合わせください。