所長あいさつ

所長あいさつ

🔹 2022年度から共立基督教研究所所長に就任しました須藤英幸です。趣味と特技は、街中のカフェで、勉強にふけったり論文執筆にうめいたりすることです。

共立基督教研究所では、創立当初からマルコの福音書10章45節を主題聖句としています。

 

マルコの福音書10章45節 
 For even the Son of Man did not come to be served; he come to serve and to give his life to redeem many people. (GNB)
 For even the Son of Man came not to be served but to serve, and to give his life as a ransom for many. (ESV)
 καὶ γὰρ ὁ υἱὸς τοῦ ἀνθρώπου οὐκ ἦλθεν διακονηθῆναι ἀλλὰ διακονῆσαι καὶ δοῦναι τὴν ψυχὴν αὐτοῦ λύτρον ἀντὶ πολλῶν. (Nestle-Aland, 26th) 
 nam et Filius hominis non venit ut ministraretur ei sed ut ministraret et daret animam suam redemptionem pro multis. (Nova Vulgata, 1986)
 人の子も、仕えられるためではなく仕えるために、また多くの人のための贖いの代価として、自分のいのちを与えるために来たのです。(新改訳2017)
 わたしがこの世に来たのも、だれかに仕えてもらうためではなく、むしろ人々に仕えるためですし、また多くの人々を救うのに、犠牲として自分の命を投げ出すためです。(現代訳)

「共立」の由来

🔹 共立基督教研究所(KCI)は東京基督教大学(TCU)の研究機関としての役割を担っています。「共立」という名は、1980年に共立女子聖書学院共立女子神学校)が東京キリスト教学園(TCUの母体組織)へ統合される際、共立女子聖書学院の100年に及ぶ伝統をTCUの付属研究所に継承してもらいたいという関係者の思いから冠されました。共立女子聖書学院は、1881年(明治14年)にアメリカ人女性宣教師ルイーズ・ピアソンによって横浜に設立された偕成伝道女学校までその歴史を辿ることができます。将来大学へ成長することになる各種学校がこの時代に設立されました。たとえば、偕成伝道女学校が創設された明治14年には、明治法律学校(現明治大学に発展)、東京物理学講習所(現東京理科大学に発展)などが設立されています。このように、共立基督教研究所偕成伝道女学校共立女子聖書学院とが主から委ねられたキリスト教の女子教育という責務を受け継ぐだけでなく、140年以上に及ぶ伝統の上にあります。そればかりか、大学におけるキリスト教教育は国内の歴史だけにとどまりえません。大学 (universitas) という組織は12世紀に世界で初めて設立されたのですが、その代表格であるパリ大学やオックスフォード大学が最初に開設した学部こそ、紛れもないキリスト教の神学部でした。当然ながら、神学部総合神学科を要する東京基督教大学も歴史を通して働かれる神のダイナミックな御旨によって創設され、その付属機関である共立基督教研究所もこのような歴史の中で神の恵みに支えられています。

研究所の使命

🔹 キリスト教は今、混迷を深めるグローバルな危機的状況の中で、ローカルレベルでその真価が問われています。多様な価値を尊重するポストモダン世界の中で、神による救済とは何か、神の正義とは何か、神の愛とは何か、このようなキリスト教の伝統的な価値概念を日々の実践において揺るぎない基軸として貫いていけるのか、が問われています。この問いに肯定的に応答するためには、キリスト教の本質的価値についての説得力あるキリスト教弁証が要請されるでしょう。共立基督教研究所の第一の使命は、各種研究を通してキリスト教弁証を生み出していくことです。そのために、研究所では、研究部門を「研究プロジェクト」(研究成果が求められる研究会)「翻訳研究」(翻訳に取り組む研究会)「調査研究」(研究成果が求められない研究会)の三部門に分類して、コーディネーター(担当者は本学専任教員)が本学内外の人材から新たに研究グループを組織し、自由に研究会を立ち上げることができるようなプラットフォームを提供します。また、研究会での研究成果を迅速に公表できるように、新たに電子ジャーナル『共立キリスト教研究』を刊行します。


🔹 しかしながら、どんなに形を整えたとしても、学術研究というものは自然発生的に進展するものではありません。特に、実践重視になりがちのキリスト教教育者にとって、グローバルな実践への適応を念頭に置いた、神学研究の研磨が重要になります。というのも、実践なき学は虚しく、学なき実践は危ういからです。ここで言う学とは、単なる知識にとどまらず、それを超える知恵に他なりません。神学的な知恵を獲得するためには、思い巡らしては祈り、祈っては考え抜き、考え抜いては対話していく過程が必要になるでしょう。それは、遠方に見える微かな曙光を希望として、日々今ここでローカルに支えられながら鍛錬していく苦しい道でもあります。共立基督教研究所の第二の使命は、地道に研鑽を重ねる研究者を支援することです。パウロがコリント教会のひとりひとりを「キリストの手紙」(2コリ3:3)だと考えたように、教会にしても研究所にしても最終的に真価が問われるのは組織構造ではなく、そこにいる人間ひとりひとりです。研究所がこれら二つの使命を果たしていけるように、御霊によって心の板に刻まれた「キリストの手紙」に照らされながら、所長として研究所の発展に貢献していきたいと存じます。

歴代所長の紹介

歴代  所長の氏名  在任期間 
 初代  宇田進  1980.4〜1995.3
 二代  櫻井圀郎  1995.4〜1998.3
 三代  倉沢正則  1998.4〜2004.3
 四代  稲垣久和  2004.4〜2018.3
 五代  倉沢正則  2019.4〜2021.3
 六代  須藤英幸  2022.4〜

事務局

 事務局  secretariat  所属
 高橋伸幸  Nobuyuki Takahashi  本学職員

事務局の場所と問い合わせ

🔹 共立基督教研究所の事務局は、大学構内西側にある国際宣教センターの建物内にあります。

🔹 共立基督教研究所への問い合わせは、事務局(kci@tci.ac.jp)までお願いします。

 

 

 

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