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第1回 いのちのケア・セミナー

日時:2015.1.13 13:00-15:30|会場:東京基督教大学 国際宣教センター チャペル ゲスト: Japan Alive (本部:宮城県仙台市) ローレンス綾子さん、ローレンス・マイカさん、松坂有里子さん + 村田恭子さん

 

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第1回目となる「いのちのケアセミナー」では、仙台を拠点として活動を行うNPO団体であるジャパンアライヴのスタッフの方々を講師に招いてのセミナーを行いました。 今回のセミナーは、中学校・高校において行っている性教育ワークショップのデモンストレーションから始まりました。中高生にとって身近な恋愛や友情関係をトピックとして取り上げたスキットを通して異性との健全な関係の築き方を問いかけたり、コップに入った水を聴衆同志が交換していくゲームを用いて性感染症の実態を訴えるなど、工夫を凝らしたワークショップでした。その後、ジャパンアライヴ設立の経緯や、インターネット・ラジオ放送・フリーペーパーなどによる情報発信、また相談窓口といった団体の活動内容が紹介されました。特に、PASS(人口中絶後ストレス障害)や、アブステナンス(結婚するまで性関係を待つこと)教育への取り組みにも言及されました。

 

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左:スキットを通して異性との関係の築き方を考える (ローレンス・マイカさん、松坂有里子さん)。/右:自己紹介をしながらコップの水を半分ずつ交換していく。最初から アルカリ性の溶液が入ったコップが1つあり、最後に皆のコップに試薬を加えると、感染が伝播した様子を実感できる。   
 

また、ジャパンアライブが併設する特別養子縁組の支援団体である「ジャパンアライヴアダプション」の活動も紹介されました。日本では、件数上の「養子」は多いものの、その内容は、家業や家名を継承するための成年養子(婿養子など、成年を養子とする)が7割以上を占め、血族でも姻族でもない子どもを対象とする「他児養子」はわずか1%である現状に触れ、今後日本の養子制度や人びとの意識のあり方が変革していく必要性が語られました。

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Japan Alive の活動や養子縁組について話すローレンス・綾子さん。
 

中高生を中心に活動を展開している団体ですが、すでに異性との交際の経験が多い高校生よりも、むしろより若く心が柔軟な中学生に向けた働きかけの重要性を提言されました。また、さらに若い年代である幼児や小学生に向けても、それぞれの年代に応じた性教育の対応の必要性にも触れられました。

今回のセミナーでは、他者を尊重する重要性を考えることを通して、社会全体で「いのち」を尊び、子供たちを守っていこうという「いのちのケア」につながる提言となりました。セミナーには東京基督教大学の学生たち30名ほどが参加しました。セミナー後、参加者からは、Japan Aliveの活動に共鳴し、活動の働きを応援していきたいという声が聴かれました。 (岩田三枝子)

 

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pass (人工中絶手術後ストレス障害) の女性のカウンセリングをしている心理士の村田恭子さん。