「新しい事が」

2013年も残すところあと一ヶ月。学長ブログも大分期間を空けてしまった。明日から本学は冬学期を迎える。秋学期は実に多彩な学期であった。と同時に、新しい事が起こる兆しのとき、いや、すでに起ころうとしている先駆けの学期であったとも言えよう。恒例のアジア・アフリカ等から留学生を迎える「アジア神学コース(ACTS-ES)」に6名の新入生(ネパール、インド、ケニヤ、ジンバブエ、米国)を迎え、また、秋学期だけの「短期留学生プログラム(EAI)」に米国6大学から14名の留学生を迎えての国際色豊かな学期を過ごした。「他者・異文化理解」を教育理念に掲げる本学にとっては、留学生が全学生の四分の一を超え、まさにキリスト教のグローバル性をキャンパスと寮で体験できる恵まれた環境にある。今年度の「シオン祭」(学園祭:10/14)のテーマが「彩り」であったが、これらの人々は本学に彩りをさらに添えるものとなっている。

本学は、2012年度から大学院神学研究科を設置し、修士課程を通して将来の牧師・宣教師等の教会教職者(高度専門職業人)を育てる教育をしてきた。それが2013年度で完成年度を迎えるが、それに合わせて、将来の神学研究者・教育者を養成する博士課程の必要を覚え、今春文科省にその認可申請を行い、2014年度からその設置が認可された(10/25)。こうして、プロテスタント福音主義に立つ神学大学として、学部と大学院(博士前期・後期課程)までの課程を備え、「教会と社会に奉仕する献身的なキリスト者」を神学・国際・福祉の分野で輩出するという目標を達成するカリキュラムが整ったことになる。前身校の卒業生や協力者たちのビジョンに対する祈りと支援の実であり、学園の主なる神の賜物である。教育内容の充実は、教会と社会に有用な人物を輩出するためであり、この責務により一層励まねばなるまい。

2014年度は、本学にとって「新しい事」が始まり、新たな段階へと歩みを進める時となる。学長として過去2期8年努めさせていただいたが、任期満了となり新学長が立てられることとなった。現学部長である小林高徳氏が次期学長となる。この8年間小林学部長とは「二人三脚」で、大学認証評価、キリスト教福祉学専攻設置、そして大学院神学研究科(博士前期・後期課程)設置へと恊働させていただいた。まさに、「同労の友」である。今後、新たな段階へと歩みを進める本学にとって、彼はそのリーダーシップを発揮できる最適任者である。クリスマス・アドベントのとき、人類の救い主(キリスト)イエスの誕生に思いをめぐらすこの期間、世界の創造からその終末の完成までのエポックメーキングな新しい時と事柄であるクリスマスを前に、本学にとってもまた、新しい事が起こることを待ち望み、期待できる時としたいものである。

「見よ。わたしは新しい事をする。今、もうそれが起ころうとしている。あなたがたは、それを知らないのか。確かに、わたしは荒野に道を、荒地に川を設ける。」(イザヤ43:19)