「心を合わせ、志を一つにして」

去る3月11日(火)に本学の卒業式があり、55名の卒業生・修了生を送り出した。学長として最後の務めとなり、卒業生一人一人への学位記授与と握手に万感の思いを込めた。特に、2012年から始まった大学院修士課程を修了した第一期生に証書を渡すことができたことはとても嬉しく感謝である。60年近く歴史のあった神学校を閉校して、教会教職養成を大学に一本化しての最初の卒業生ということもあって、とても感慨深い。それぞれの場所でキリストと教会に仕えて、キリストの御名をあらゆる人々に知らしめてほしいものである。

 

3月24日の「TCU支援会全国会議」と25日の本学「理事会・評議員会」をもって、学長としての最後の公の責務を果たし、3月末日をもって二期8年に亘る学長職を辞する。一番の感謝は、「『キリストがすべて』をモットーとして、聖書に基づくキリスト教世界観をもって、神の国の建設と進展のために、教会と社会で奉仕する宣教の働き人を育成する」という本学の使命に、多くの仲間が「心を合わせ、志を一つに」(ピリピ2:2)してくれたことであった。本当に助けられ支えられた。教職員はそれぞれの賜物と能力を十分に発揮して、大学を取り巻く厳しい環境の中にも、本学の使命に果敢に取り組み、本学を「前」へと進ませている。何かを成し遂げたとするなら、それは彼らの結束の実であり、主なる神の憐れみと言う他ない。苦闘の中にも主のみわざに接して、「震えおののく」とともに、その感動と感謝が報いとなった。

 

4月から小林高徳新学長のもとでさらに本学の教育が充実し、教会や社会に喜ばれ、主キリストに生涯をささげて、社会の様々な分野で活躍する卒業生を輩出する大学となるよう願いつつ、微力ながら今後も応援してゆきたい。8年に亘る皆様のお祈りとご支援を深く感謝する次第である。「ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。」(ピリピ3:13-14)