「主を喜ぶ」

 謹賀新年。この年もキリストの御恵みに生かされる日々をと願う。寒さ厳しく、日本海側では大雪に見舞われる中での2013年、今年はどんな年となるのだろう。昨年は何といっても世界主要国の指導者の交代で明け暮れた。日本もさることながら、ロシア、中国、韓国と新体制となり、北朝鮮をはじめ台湾も新たな歩みとなった。東アジアのトップスがすべて新しくなる。加えて、米国オバマ大統領の再選、仏国オランド新大統領、エジプトのムルシー新大統領と連日海外ニュースの話題には事欠かない。シリアの内戦、エジプトの新国家建設の内紛、欧米の経済不安、東アジアの領土をめぐる緊張等、新指導者の責務は限りなく大きく、その道は実に険しい。今年も不安定、不確定の年となり、賢明な指導者相互による平和の道づくりが本当に待たれる年となる。

 本学も今年、大学院が二年目となり、学部から大学院までのすべての課程を学生が占めることとなり、これまでの前身校が本学に完全に一本化される年を迎える。実にビジョンを抱いてから14年目の実現である。そして、その課程も実に広がりを持ってきた。「聖書に基づくキリスト教世界観に立って、神の国の建設(進展)に寄与する世界宣教の働き人を、教会と社会に送り出す」ことを使命とする本学は、「キリストがすべて」をモットーに、「キリストへの集中」と「キリストにある広がり」の両面を視野に入れて、神学科には教会教職専攻と神学専攻、国際キリスト教福祉学科には国際キリスト教学専攻とキリスト教福祉学専攻を備え、大学院には神学研究科神学専攻を設置している。キリストの神の国のミニストリーである教職、国際、福祉の働きを担う人物を育てるという思いをさらに強く願う年としたい。

 2013年、与えられた聖書のみことばは、「主の喜びはあなたがたの力」(ネヘミヤ8:10)である。これは帰還の民イスラエルの「霊的な復興」を示す箇所である。崩されていたエルサレムの城壁が総督ネヘミヤの指導によって再建されて、祭司であり学者であるエズラによってモーセの律法が朗読され、レビ人たちによってそれが解き明かされた場面。エルサレムの城壁が再建されるという、いわば、外側の必要が整った中で、より必要なことは、それを成し遂げられた主なる神への礼拝と献身という霊的な復興に他ならない。みことばが朗読され、解き明かされ、それに耳を傾け、祈り、礼拝する民。本学も形は整った。それゆえに、本学も霊的な刷新が求められている。学生と教員が一堂に集い、みことばとその解き明かしに耳を傾け、罪を赦す恵みの主を「喜び」、ほめたたえ、「アーメン」と唱和して主への献身を表明するチャペルの祝福を経験する一年としたい。

 「きょうは、私たちの主のために聖別された日である。悲しんではならない。主を喜ぶことは、あなたがたの力であるからだ。」(ネヘミヤ8:10)